カバンのご依頼で多いのがLouis Vuittonのモノグラムのカバンで、持ち手を補色してほしいということなのですが、ヌメ革で出来ていることがあります。
ですがヌメ革に補色することはできません。できませんというよりおススメをしていません。
ヌメ革というのは植物性タンニンでじっくり時間をかけてなめしており、表面に染色や加工を何も施されていない革のことです。
特徴として、始めは白やベージュの自然な色味で、油分や水分によって色が変化していきやすいことです。
じっくり時間をかけてなめされているので革の繊維が詰まっていて壊れにくく丈夫です。これも使い込んでいくうちに繊維がほぐされ柔らかい質感に変化していきます。
つまりヌメ革というのは経年変化を楽しむ素材ということです。
カバンの持ち手が黒っぽくなってしまったからもとの色に戻してほしいという相談がありますが、補色の際にも水分を使うので色が革に沈んでしまいます。なので元の色に戻すことは不可能で、逆に色がさらに暗くなってしまいます。
ヌメ革はあくまでも経年変化(エイジング)を楽しむ素材だということを理解しておくと良いでしょう。
お手入れ方法としましては革が渇いてきたらデリケートクリームを塗ってあげるくらいで十分です。乾いてしまうと割れてしまう可能性があります。
使い始めに防水スプレーを振ることを勧めている記事もありますが、スプレーの水滴がそのままシミになってしまうのであまりお勧めしません。
扱いが少し難しい素材ですが、使い込んでいくうちに自分だけのものになっていくので楽しんで使ってください。
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