靴ブログ クリーニングT&Kです。

全て手作業にこだわり靴をクリーニングしております。靴クリーニングを文化にしたいっ!コメントいただけたら喜びます。

【239】ホントに色、塗りますか?

T&Kのクリーニングのコースは、

丸洗いのみのコースと、丸洗いにプラスしてスムースレザーは補色、スエードなどの起毛素材はブラッシング仕上げをするコースがあります。

 

洗い方はどれも同じで、コースによって洗い方を変えることはありません。

あくまでも靴、バッグの状態を見ながらクリーニングをします。

 

バッグに多いのですが、角のスレや、水染みが気になるので補色して目立たなくしてほしいという依頼が多く寄せられます。

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バッグの底の写真なのですが、右下の角が白くなっているのがわかると思います。

 

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こちらはバッグの表面に点々と水染みがあるのがわかると思います。

 

もちろんどちらも丸洗い+補色仕上げで目立たなくすることはできます。

ですが、見た目はキレイになりますが、

塗料を上から塗っているので革製品としての良さは全くなくなってしまいます。

また色味も元の色と近づけた色で着色しているので厳密には違う色味になります。

また補色した時点で塗料の質感になるので、

今後は経年変化はしなくなってしまいます。

 

見た目が気になるのはもちろん気持ちがわかります。

でも革製品を使っている以上はシミやスレは避けられません。

そういったものも含めてその人の味になっていきます。

 

大切に使っていくと愛着も湧き、より大事にしていこうという気持ちが強くなっていきますので、汚れたからといってすぐ色を入れてというのは一息ついて考えていただけたらと思います。

 

 

でもそうすると私たちの仕事がなくなってしまうので強く言えないのですが、

まず第一に皆さんがお気に入りの靴やバッグを長く使ってもらいたいというのがあるので、

皆さんの気持ちを優先して考えたいなと思います。

 

状態や素材によっては補色仕上げをおススメしないこともあります。

 

一番クリーニングの使い方は汚れる前に出していただくのが理想で、

常に清潔を保つこと、またクリーニングに出すということで靴やバッグを皆さん自身で気にしてもらうことが重要かなと思っています。

 

汚れてしまったら元の状態に戻せるとは限りません。

 

どうするのがベストかわからないときはご相談ください!

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