靴ブログ クリーニングT&Kです。

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【290】靴は中まで見ましょう。

こんにちは。

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靴のクリーニングの前に検品をします。

何を見るかというとクリーニングに耐えられるかを主に判断します。

具体的には、劣化、破損していないか、水洗いによりシミにならないか、黄ばみ等素材が変質しないかなどなどです。

 

特に劣化状態のものは洗浄しても悪化するだけなのでクリーニングは出来ません。

たまにそれでもいいから「とりあえず」洗ってほしいといわれることがありますが、どういう意味でとりあえずと言っているのかはいまだに心理がわかりません。

 

シミになるならないや黄ばむか等は正直靴や汚れの状態にもよるのである程度のところまでしか検品ではわかりません。

やってみないとわからない部分がありますのできちんと説明したうえでお客様に最終的に判断してもらうことがあります。

 

 

こちらで劣化による状態の悪化の可能性がが高いものは作業不可とさせていただいていますが、お客様より、「劣化して剥がれているような様子ではなかった」という連絡が来る事があります。

 

確かに見た感じは問題ないように見えます。

 

ブーツの内側の履き口がこの状態でした。

合皮が劣化してボロボロに剥がれ落ちている状態です。

 

これだと履くたびに靴下に黒い表皮がついてしまっていたと思います。

少し触れただけでもボロボロ剥がれていくので洗浄出来ません。

 

このように人目に付く部分は本革で綺麗に見えても目立たない内側は合皮で経年劣化により履ける状態ではなくなっているということはよくあります。

本当によくあります。

検品していると毎日必ず見るといっても言い過ぎではありません。

 

 

なので靴は表だけ気にするのではなく内側も同じくらい気にしてあげて下さい。

写真のように剥がれてしまっているものはもうその靴の寿命ですので買い替えをお勧めします。